九谷焼の歴史・九谷焼招き猫の特徴 of 九谷ヌーボー招き猫展

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HISTORY

九谷焼の歴史・九谷焼招き猫の特徴

九谷焼の歴史

白い磁器に鮮やかな色絵…九谷焼は石川県南部の金沢市、小松市、加賀市、能美市周辺で生産されている伝統工芸品である。焼き物としての九谷焼の歴史は17世紀頃に遡る。技術振興を目指した前田家藩主利治の命によって後藤才次郎が肥前有田から持ち帰った製陶技術が始まりだが、築窯後、約半世紀で突然廃業した。初期の焼き物は、100年後に加賀藩の肝煎りで再興した九谷焼と区別するために「古九谷」と呼ばれる。その絢爛豪華な作風が海外でも好評を博して、花瓶や器、装飾品などが明治期には重要な輸出品目のひとつとなった。
観音像や布袋、恵比寿等の福神をはじめ、招き猫、唐獅子などの縁起物の置物が盛んに作られるようになったのも明治以降。九谷焼招き猫の最大の特徴、「盛」の技法が京都から伝わったのは大正末期である。

九谷焼招き猫の特徴

いかめしい大人顔

近年は時代の流れを反映して、愛くるしい表情の仔猫タイプが人気を集めているが、本来の九谷焼招き猫は威厳のある大人顔であった。古いものほど瞳の部分が小さいのも大人顔のイメージを強めている。全身を彩る「盛」模様とあいまって、古作には一種異様な迫力がある。

前垂れが標準装備

初期の常滑系招き猫には前垂れがなく、首玉だけのものも見受けられるが、九谷焼の猫はほぼ100%華やかな前垂れを着けている。また、大きなサイズでは前垂れのひもに金の鈴が付いているが、 正面ではなく右の肩上に位置している。

耳が反っている

正面向きの猫で、耳が横を向いている型がある。つまり耳の内側が見えない。ナマ猫の場合、これは警戒した耳の表情である。「注意を怠らない=魔を払う」という意味合いなのだろうか?

横座り型がある

足を崩して横座りになった型がある。郷玩などで横向きに座った型はあるが、九谷のように足をしどけなく崩しているものはない。いかめしい顔とミスマッチなのが面白い。

絢爛豪華な「盛」文様

「盛」という手法で描かれた独特の模様。金色の丸い蕊を中心に描かれた大輪の花や渦巻、疋田絞りのような地模様など、九谷焼招き猫と言えば、この文様を連想する人も多いのではないだろうか。前垂れだけに施されたもの、全身が埋め尽くされているものとさまざま。

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